加工品の商品開発とブランディングに挑戦するみかん農園
取り組み内容
あきさわ園は約300年の歴史をもつ、柑橘栽培を中心とした農園です。
戦時中にはみかんを伐って食糧増産を命じられたり、戦後はみかんの国内増産、レモン・濃縮果汁原料・オレンジ等の輸入自由化、国内需給バランスの崩壊、みかん価格の大暴落などと時代背景が変わるなか、さらに後継者不足も深刻で、農家が次々と廃業していきました。あきさわ園がある小田原市明沢地区のみかん農家は次々と廃業しその数は約10分の1まで減少、いまでは数軒を残すだけとなりました。
あきさわ園は、厳しい環境を生き抜き次世代に残すために、園内道路の整備による効率化、新品種への転換、いったんみかん専用の土蔵で寝かせてから出荷することで食味を向上させるなど、さまざまな工夫と努力を重ねてきました。
手間暇をかける分、その価値にみあった価格で出荷することが存続の条件です。静岡や愛媛のみかんに対抗するために、あきさわ園のみかんとしてブランディングすることも重要な課題として取り組みました。
消費者のニーズをみきわめて臨機応変に対応してきたこともあきさわ園の強みです。
安心安全な商品を届けるために、できる限り農薬を使わない減農薬で作ることもそのひとつ。みかんだけにこだわらず、ブルーベリーやキウイフルーツの栽培を始めたり、緑化樹木の苗木生産も手掛けています。
さらに近年は今まで廃棄していたものを使った加工品の開発にも力を入れており、無農薬のフルーツを使ったジャムやピクルス、ジュースなどを生産。みかんの土蔵と同様に日本の伝統工法で建設した加工所も新設しました。栽培過程で間引きされて廃棄されてきた青みかんは加工品に使用するほか、レモンの代用品としての利用価値をアピールして出荷しています。
廃棄するものを活用した製品化はさまざまなコラボ商品も生み出しています。あきさわ園の規格外フルーツを使ったガトー・ド・ボワイヤージュの焼き菓子は無印良品ブランドで販売、横浜ビールは青みかんを生かしてグリーンシトラスピルスナーを開発しました。箱根ジェラートはエシカルな商品として、ブルガリやラルフローレンがギフトとして採用したり、ヴォーグジャパンと渋谷パルコのエシカルイベントでマルシェや取組を紹介するなど、SDGsな取り組みがさまざまな広がりをみせています。
こうした取り組みを推進するためには人材不足も大きな課題ですが、食と農の持続可能な現場をリアルな現場を体感してもらおう、という発想で「きらくなのうえん隊」を立ち上げました。耕作放棄地の竹林の伐採、みかんやブルーベリーの収穫、未利用農作物の商品開発など実作業を手伝ってもらいながら、地域コミュニテイの構築、里山の魅力の再発見という副産物も生み出しています。
あきさわ園のゴールへの貢献
ゴール12(つくる責任 つかう責任)を中心に、ゴール8(働きがいも経済成長も)、ゴール14(海の豊かさを守ろう)、ゴール15(陸の豊かさも守ろう)にも貢献し、その他ゴールに広く貢献しています。
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記事作成者:運営事務局
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